産業廃棄物収集運搬業の石綿含有産業廃棄物の品目が増えます。

2021年11月19日

石綿含有産業廃棄物に「汚泥」が追加。

令和3年3月30日、環境省は「石綿含有産業廃棄物等処理マニュアル」を改定し、石綿含有仕上塗材について、従来の1:施工当時に吹付け工法により施工されたものが廃棄物になったものは廃石綿等2:吹付け工法以外の工法により施工されたものは石綿含有産業廃棄物に該当するとしてきたものを今後は、石綿含有仕上塗材については工法を問わず石綿含有産業廃棄物として取り扱うこととしました。

また、石綿含有仕上塗材が廃棄物となったものは、石綿含有産業廃棄物の「汚泥」に該当する可能性があるとしました。

よって、これまで各自治体は普通産業廃棄物収集運搬業の許可申請において、石綿含有産業廃棄物は「廃プラスチック類」・「ガラスくず・コンクリートくず(がれき類を除く。)及び陶磁器くず」・「がれき類」に該当するとしてきましたが、今後はさらに「汚泥」が追加されるようになります。

石綿含有産業廃棄物を含む「汚泥」を運ぶための容器

石綿含有産業廃棄物を含む「汚泥」(石綿含有仕上塗材)については、1:石綿含有廃棄物の中でも石綿の飛散性が比較的高いおそれがある。2:廃棄物の性状が粉状又は泥状であるため、袋の破損等が起こると廃棄物が流出する可能性が高い。

以上2つの理由から確実な梱包として、石綿含有産業廃棄物を含む「汚泥」(石綿含有仕上塗材)を収集運搬する際には、厚さ0.15㎜以上の耐水性のプラスチック袋又はドラム缶等の堅牢な密閉容器により二重に梱包を行うことが必要となりました。

これは、施工当時に吹付け工法により施工された石綿含有仕上塗材については、元々特別産業廃棄物の「廃石綿等」に分類されているため、それに準じた運搬が必要になるということです。

許可申請における手続き

まずこれから新たに「汚泥」や石綿含有産業廃棄物を含む「汚泥」(石綿含有仕上塗材)について産業廃棄物収集運搬業許可品目に加えたい場合は、原則として新規申請や既許可業者につきましては変更許可申請をして取得となります。

しかしいくつか例外的に運用を行う自治体もあります。

東京都・埼玉県の例外

既許可業者において

1:収集運搬品目として既に「汚泥」を許可取得していて、かつ、2:「廃プラスチック類」、「ガラスくず・コンクリートくず(がれき類を除く。)及び陶磁器くず」、「がれき類」のいずれかに石綿含有産業廃棄物を含む許可を取得していた場合は、次の更新申請のタイミング等で容器の写真を添付すれば石綿含有産業廃棄物を含む「汚泥」が取得できます。

この運用をしているのは関東圏では令和3年11月現在においては東京都・埼玉県です。

もっとも、この既に「汚泥」を許可取得していて、かつ、「廃プラスチック類」、「ガラスくず・コンクリートくず(がれき類を除く。)及び陶磁器くず」、「がれき類」のいずれかに石綿含有産業廃棄物を含む許可を取得していた時期については東京都・埼玉県でも取り扱いが少々異なります。
東京都・・・特に期間制限はありません。
埼玉県・・・令和3年11月1日以前の許可業者に限ります。

千葉県の例外

既許可業者において

令和3年6月以前に1:特別管理産業廃棄物収集運搬業の「廃石綿等」許可を有しており、かつ、2:普通産業廃棄物収集運搬業の「汚泥」を取り扱う許可を有している場合については、変更届により、普通産業廃棄物収集運搬業許可証に「汚泥(石綿産業廃棄物を含む)」の記載を行うことが可能。

となっています。

つまり、環境省の「石綿含有産業廃棄物等処理マニュアル」を改定に準じた厳格な運用をしているという印象です。

なお、神奈川県についてはこの運用をどうするかについてはまだ、まとまっていないみたいです…

法律や省庁のマニュアルが変わると当然申請の概要や各自治体の運用も変わっていきます。弊事務所としては常に最新の改正や運用を取り入れて申請に臨みたいと思います!

まとめ

・「汚泥」に石綿含有産業廃棄物が含まれた
・運搬容器は0.15㎜以上の耐水性のプラスチック袋又はドラム缶等により二重梱包
・既許可業者の経過措置や例外的取り扱いについては各自治体による

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