講習会の修了をしなければならない者
産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するには事業を行うに足りる技術的能力を説明する書類として産業廃棄物収集運搬業の講習会修了証を添付しないといけません。
そしてこの講習会を修了しなければならない者は、個人事業主の場合は申請者本人です。
法人申請の場合は代表者、役員(監査役及び社外取締役は除く)、政令使用人となっています。
申請者本人や法人の代表者、取締役が修了していなければならないというのはイメージしやすいですね。
事業を行う上で、知識がある者が役員についていなければならないというのは当然と言えます。
ではこの政令使用人とはどういう意味なのでしょうか。
正確には政令第6条の10に規定する使用人となりますが、どのような者を指すのでしょうか。
政令使用人とは
政令使用人とは、申請者の使用人であって本店又は支店の代表者、又は継続的に業務を行うことができる施設で、廃棄物の収集運搬または処分業に係る契約を締結する権限を有している者です。
簡単に言うと、支店長とか工場長といった肩書の従業員といったところでしょうか。
政令使用人に関する証明書
申請において、当該人物が政令使用人であるとするのは基本的には申請者側の自己申告です。
中には履歴事項全部証明書に「支配人」として登録していて、客観的に確認できる場合もありますが、むしろ少数派ではないでしょうか。
政令使用人として申請するには、各自治体それぞれの証明書や添付資料が必要となります。
東京都の場合
東京都へは独自様式の「政令使用人に関する証明書」の提出が必要になります。
記載内容としては、その者の
- 氏名・役職
- 勤務場所(事業所名、住所)
- 業務内容
を細かく記載する必要があります。
また、役員同様に「登記されていないことの証明書」や「住民票」といった公的証明書が必要になります。
公的証明書は基本的にすべての自治体の申請に必要となります。
埼玉県の場合
「申出書」と「組織図」の添付が必要となります。
申出書は任意様式です。
記載内容は例えば、「◯◯◯(氏名)は、△△(社名)の令6条の10に規定する使用人である旨申し出ます。」と記載する必要があります。
また、組織図についても当該政令使用人が契約締結権限を有していることを示したものが必要になります。
神奈川県の場合
当該政令使用人が契約締結権限を有していることが確認できる書面として、県配布の参考様式である「政令使用人に係る証明書」が必要になります。
記載内容としては、その者の
- 氏名
- 本籍地
- 住所
- 生年月日
- 役職
を記載する必要があります。
また、政令使用人に係る証明書と共に役職がわかる「組織図」が必要になります。
千葉県の場合
「組織図」及び申請者が発行する「政令使用人証明書」が求められます。
千葉県の場合は完全に任意様式となっています。
記載内容については東京都や神奈川県の証明書と同等のものを記載すれば足りると思います。
最後に
決して役員に限らず従業員にも講習会修了を認めているのは申請の幅が広がり許可取得しやすくなるのは申請側にとってはメリットがありますね。
もっとも、政令使用人の証明は申請先の自治体によって必要添付書類が細かく分かれているため事前にしっかり確認の上申請しましょう。
まとめ
・政令使用人の証明のための添付資料は各自治体により異なる